Supply Chain
Management
サプライチェーンマネージメント
建設現場におけるSDGsアクションプラン
「プラスワンfor SDGs」
背景
建設業はその事業規模や社会的位置づけから社会に与える影響が大きい業種であると私たちは自己認識しています。建設工事における影響をSDGsの文脈に沿って捉え直し、社会的便益はより大きく、環境への負荷はより小さくしていくことこそが持続可能な社会には必要であると私たちは考えます。
しかし建設業におけるSDGs推進にはいくつかの障害があり、それは一つの工事現場に携わるステークホルダーの多さからコンセンサスがとりにくくなっていることと業務量が多いことに集約されます。
ですから私たちはバックオフィスを中心としたSDGs推進の体制を整備し、建設現場におけるSDGs達成に向けた仕組みを構築します。そして加賀建設のこの「仕組み」が建設業界全体に浸透し、建設業が持続可能な社会へ大きく貢献できる産業となることを願っています。
手法
- 建設現場管理者と経営企画部担当者間にSDGs推進会議を設け、SDGs達成に向けた実現可能なアクションプランを作成します。
- そして建設現場の新規入場者教育において自社の社員のみならず、協力業者に対してもSDGsの概要を説明する資料を配布し理解を促し当該工事現場が完了することによってSDGsへどのように貢献できるのかを示します。
- 更に建設工事期間中にSDGs達成に向けて行うアクションを「プラスワンアクションfor SDGs」として策定・実行します。
- アクションに関する情報は自社内に蓄積し、アクションプランをパッケージ化することで多種多様な建設現場で継続的にSDGs達成に向けたアクションを続けられるスパイラルアップの実施体制を構築します。
♯1 二級河川大野川 広域河川改修工事(護岸A2工区)
金沢市内を流れる大野川で河道断面が不足することによって、洪水時の河川が危険な状態になりやすくなっていました。
大野川における築堤・掘削・護岸整備を行うことによって許容水量が増加し、急激な水量の増加に強く災害が発生しにくい河川をつくります。
- 工事の進捗率:39% ※全日程(204日間)と経過日数(80日間)で算出
- SDGs達成に向けたアクションへの署名:17名(社員3名、協力業者14名)
- 数値目標(pH値):8.0(施工前、河川水)/ 11.0(処理前、コンクリート洗い水)/ 6.3(処理後、コンクリート洗い水)
基準となる数値として施工前の河川のpH値を測定した。発生した排水のpH値をモニタリングしていく。生コンクリート打設の際に発生した洗い水のpH値を測定。pH値を適正に維持するために、調整剤(セメントバスター)を使用した。使用後のpH値は適正な値とすることができた。
「 海岸線の浸食防止のための築堤技術普及 」
対象国
東ティモール民主共和国
開発ニーズ
1.
海上交通の要にあることを生かしたオーストラリア、インドネシア、中国向けのバルクドライカーゴ港・仲介貿易港としての役割を担うことを目指している
2.
取扱量に対応できず滞船が常態化している港湾など課題が多く、農産品や海産物の輸出による産業振興のボトルネックとなっているため、現在、港湾工事が行われている
3.
主要幹線道路は海岸沿いを走っており、海面の上昇によって水没する危険性を指摘されているため、堤防の建設など何らかの措置が必要である
4.
労働人口の急上昇が見込まれる一方で近隣諸国との賃金水準を比較するとコスト競争力が低く、資本集約・技術型産業、サービス産業の成熟が急務である
5.
地場の建設事業者が成長しつつあるが技術的マネジメントが可能な人材に乏しく、国内人材としての熟練工が求められている
事業内容
- 海上工事に特化した施工管理者並びに現場熟練工の育成
- 地場建設業者と共同で建設工事を行うことによって、OJTを実行
- 東ティモール共和国のSDP(戦略開発計画)に沿った人材育成プログラムを策定・実施
私たちの提供技術
- 自社保有船団と作業員による測量から建設まで一貫した施工管理システム
- 船団作業員による高度な操船、築堤技術
- 自然物を活用した日本独自の築堤技術
SDGs達成への貢献の可能性
対象国におけるインフラ整備の中でも最も需要が高く、独自技術を要する海上工事の技術者を育成することで、持続的かつ安定的な産業の基盤を築く。安定した資本を築いた建設セクターが他産業へ進出する潮流があり、建設産業の人材育成は国内経済の多角化につながると考えられる。建設産業の成熟によって、今後増加が見込まれる労働人口が貧困に陥ることのない社会を実現する。