Corporate
Governance

コーポレート・ガバナンス

SDGsによる組織力の強化

私たちは2017年よりSDGsの要素を採り入れながら社内体制を整えて参りました。まずは経営トップが思い描く、企業のありたい姿を企業理念として定め、社員一人ひとりからヒアリングを行うことによって現状を把握。理想と現実とのギャップを抽出しました。この乖離を課題として捉え、これらを改善するための枠組みとしてSDGsを利活用したのです。各部署にSDGs担当者を配置し、経営課題を改善するためにSDGsを参照しました。そしてSDGs社内浸透会議を通し全社員の意見を聞きながら加賀建設として育てるべき理想の人物像をロジックツリーとして完成させました。このような基盤整備を経てSDGsに関する具体的なアクションを積み上げて参りました。今後は、この活動を自社に留めず日本全国に広げていきたいという想いでSASAフレームを考案したのです。

  • Step1

    SDGツリー

    経営者が理想とする「人が育ちその人が世界に貢献する」という理想と社員の意識との乖離を分析。これを各部署の課題として捉え、これをどのようにしたら改善できるだろうかという前向きな姿勢でSDGsの枠組みを利活用し、目標を設定。各部署にSDGs担当者を据え、土の中の根っこの部分を「組織体制」、木の太い幹を「社業の強み」、果実を「地域社会との関わり」としてSDGツリーを設計しました。

  • Step2

    浸透会議

    全社員を集めたSDGsの社内浸透会議。ここでは、SDGsとは何かということを学び、なぜ企業として取り組むのかを経営トップから「SDGs宣言」として全社員に周知。SDGs推進プロジェクトメンバー5人から推進事業の進捗報告を行いました。社員に向けた意識調査結果の一部をここでご紹介いたします。

    2018年3月 第1回 SDGs浸透会議

    2019年7月 第2回 SDGs浸透会議

  • Step3

    人事評価

    アンケート調査の結果を基に加賀建設として、企業理念達成のためにどのような人材を理想像とし、育てていくのかということを考えていきました。「自分の頭で考え行動できる人」を3つの側面から具体的に定義し、その人が備えるべき条件をそれぞれ3項目、合計9項目設定。この状態にするために必要なことを更にそれぞれ3項目。合計27項目。そして、それらを実現するためのアクションプランを9つたてました。

  • Step4

    SASAフレーム

    七夕に願いを込めて短冊を添える笹飾りにも象徴されるように「未来へ込めた前向きな願い」を想起させます。そして笹は植物学的に解釈しても地域環境に順応しやすい特徴を備えており、多くの種類に分化するという柔軟性を備えています。「笹=日本文化」というイメージも定着しており、海外でも広く「Sasa」と親しまれているそうです。花言葉は「ささやかな幸せ」。SDGs達成を通じ全てのあらゆる人びとに「幸せ」を。このような想いでSASAフレームをデザインいたしました。

    活用方法

    SDGsを意識した具体的なアクションを実行する中で私たちは複数の視座にたったSDGsの統合的解決のための枠組みが必要だと気付きました。「環境・社会・経済」の3つの領域と「ひと・企業・地域」の3の主体や対象とが重なり合うことによって、それが考える指針となるのではいかと仮定したのです。日本の産業を下支えする私たち中小企業こそが我が国日本のSDGs達成に向けて率先し行動すべきであると考えた結果でありました。

「 『誰もが活躍できる建設業』を目指して 」

背景

私たちは性別やそれぞれの置かれた環境に左右されることなく、すべての人びとが活躍できるインクルーシブ社会を目指します。インクルーシブ社会実現のための仕組みを企業内部に留めるのではなく積極的に情報開示することによってまずは建設業全体が「誰もが活躍できる」産業へと変革していく事を目指します。
2018年度に実施された調査では、全産業の就業者6,440万人のうち、建設業就業者は503万人にのぼり、産業別の割合を見ると7.5%を占めています。18に分類した産業の中で4番目に高い割合です。
ですから現在建設産業に従事している人々がさらに能力を発揮できる環境整備を行い、さらに多種多様な人々が携わることのできる業界づくりに寄与することは、日本の産業と働きがいのある仕事にも大きな影響を与えることにもつながると私たちは考えるのです。
また2016年に行われた調査によると、国内建設事業者の構造を見ると、単年度での事業規模が1兆円を超えるスーパーゼネコン5社、全国展開している大手ゼネコン47社の他に、地方を基盤とした中堅ゼネコンが20,000社存在します。私たちは、地方を基盤とする中堅ゼネコンとして建設現場におけるSDGs達成に向けた取り組みにコミットすることで、建設業界に対して最も大きな影響をもたらします。

  • 1.GDP(2017年度)

    国内総生産

    5,451,219億円

    建設業

    313,288億円

    割合

    5.7%(6位、16分類中)

    (参照)内閣府.年次推計主要計数 生産(産業別GDP等).2019年4月.

  • 2.労働力人口(2018年度)

    全産業就業者数

    6,440万人

    建設業就業者数

    503万人

    割合

    7.5%(4位、18分類中)

    (参照)独立行政法人労働政策研究・研修機構.産業別就業者数.

  • 3.事業所数(2017年度)

    全産業

    3,856,457事業所

    建設業

    431,736事業所

    割合

    11% (3位、17分類中)

    (参照)総務省統計局.日本の統計2019.2019年3月.

    全産業の中で、いずれの項目も高位に位置していることから、建設業は全産業の中で見ても日本の経済を支える核となる産業の1つであると考えられる。

  • 4.建設業の構成(2016年度)

    スーパーゼネコン

    5社

    全国展開している大手ゼネコン

    47社

    地方を基盤とした中堅ゼネコン

    20,000社

    (参照)国土交通省.建設産業の現状と課題.2017年3月.