浅野川橋梁 山側P4橋脚工

浅野川橋梁 山側P4橋脚工

プロジェクトの概要・背景

金沢外環状道路 海側幹線は、「国道8号」、「北陸自動車道」、「のと里山海道」を連結し、加賀・金沢・能登の連携強化を目指す地域高規格道路です。
今回施工を行った「(仮称)浅野川橋梁」は、海側幹線Ⅳ期区間の金沢市大河端町~福久町までの3.2kmの一部となり、金沢市内を流れる浅野川や北陸鉄道 浅野川線を跨ぐ道路橋です。

完成すると橋長600mの橋梁となり、能登島大橋、内日角大橋に次ぐ、石川県が管理する橋梁の中で3番目の長さとなります。

大変だったこと、やりがいなど

この現場は、北陸鉄道 浅野川線と近接していたため、使用する重機(杭打ち機械など)の配置に注意しました。
また、軟弱な地盤上での場所打ち杭の施工であったため、その杭打ち精度を確保するための建設機械足場の工夫や掘削管理を行いました。
さらに、冬期における品質の高いコンクリート構造物を目指して、打設および養生に工夫することで、見栄え、質ともに良いコンクリート構造物に仕上げることができました。

達成感、プロジェクト成功を経て想うこと

今回の橋梁下部工事では、石川県を代表する「海側幹線Ⅳ期プロジェクト」に携わることができ、技術者として大変光栄に思っています。
今後、浅野川橋梁が架設することで人や物流における交流の利便性が向上し、社会に貢献できたことを嬉しく感じます。

今後、加賀建設で活躍するであろう新人に向けてのメッセージ

公共事業に携わることは、大きな『社会貢献』であるとともに、多くの人々との『出会い』があります。
『出会い』を大切にし、現場での失敗や困難に恐れずに、私たちと一緒に頑張りましょう。

プロジェクトメンバー

【加賀建設株式会社】
土木部 次長 梅村 崇 
土木部 係長 木下 芳彦
土木部 係長 小山 勇治

県水送水管耐震化事業 送水管埋設工事

県水送水管耐震化事業 送水管埋設工事

1. プロジェクトの概要・背景

このプロジェクトは、石川県が予算を出している事業で、能登半島地震を教訓に手取川ダムから七尾市まで水道水を供給している既設の水道管とは別ルートで、新たに耐震性の高い送水管を2系統化している事業です。
この事業が完成すれば水道用水の安定した供給が可能になるとともに、災害に強い安全・安心なライフラインを構築することができるようになります。

その中で今回施工したのは、弓取川という川の下を送水管に送水管を通す目的の工事であり、推進工事というトンネルと似た工法で直径1350mmのヒューム管を100m程度押し込んで通したあとで、900mmの水道管をその管内に挿入する工事でした。

この工事の特徴として二つのことが挙げられます。一つ目は管を通す川の下は非常に軟弱な地盤であったこと、二つ目は通常の川下での推進工事は、直線なのですが、石川県では初めての「縦カーブの曲線推進」であったことです。

2. 大変だったこと、やりがいなど

本工事は、推進菅を半径350mの縦カーブで弓取川底の軟弱な地盤を貫く工事で、石川県内初の試みであったため、成功させることに大きなプレッシャーがありました。
サヤ管となる推進管を蛇行させずに適正な曲線を描いて推進することが、本管の仕上がり精度に大きく影響します。
そのために日々行う管内測量の精度を高めるため、繰返しチェックするよう留意しました。

また、軟弱地盤であることから昇り区間の推進がうまく上がるかが最大の課題でした。そこで、掘進機に後続してシールド筒という管内から周辺地盤に薬液を注入して固める機能を有する機器を特別に装備しておきました。
予想どおり、昇り区間にさしかかると「沈み込み」が発生し、制御しづらくなったため、シールド筒から薬液注入を行い地盤を固めることで反力を得た掘進機は浮上に転じることができました。

他には、直線であれば容易なさや管と本管の隙間をモルタルで充填する中込注入作業も、曲線であるがために本管の浮力が大きく作用するため、工夫が必要でした。
先ず本管内を冠水させ浮力を制御した上で、モルタル注入も3回に分けて慎重に行った結果、浮きは発生しませんでした。
推進工事は、一度発進してしまうと後戻りができません。
土質データを含む事前に知り得る様々な施工条件から、予想される現象やリスクを検討し、前もって対策を講じておく必要があります。
そういった面では大変ですが、思惑が的中した時の喜びもまた、格別のものがあります。そういうことが、やりがいのひとつなのかなと思えることもあります。

3. 達成感、プロジェクト成功を経て思うこと

44本の推進管全ての施工を終え、推進管内に照明灯を点灯させた時、リング状となった光の輪が等間隔に映し出されました。
これは推進管の施工精度が高精度であるため、大変綺麗に映りました。この光景を見た時はとても嬉しく、達成感を感じました。

橋や道路の工事とは異なり、今回の工事は完成すると全てが埋まって目に映ることはありません。
縁の下の力持ちではありませんが、普通の人が知らない場所でライフラインを支える仕事に参画していると思うことからも秘かな喜びを感じたりします。

4. 今後活躍するであろう新人に向けて

(新人に向けてというよりも、今回工事の特徴の一つである女性技術者の活躍について考えます。)
今回の工事は、皆が石川高専出身の社員でチームを組み、完成させました。
その中で管理技術者という重要な役割を入社12年目の中堅女性社員に、その補佐役を入社1年目の新人女性社員に担当してもらいました。

男性が圧倒的多数を占め、「男の職場」というイメージが強い建設業において、
昨今は女性の活躍を推進する政府の後押しもあり、女性技術者活用の流れが徐々に強まってきている中、今回のような現場が増えてくると思われますが、課題がないとは言えません。
女性にとって大きな課題となるのが結婚や出産、育児と仕事の両立です。
そこは会社が協力して女性を応援する環境を作ることが大切と考えます。
その点、当社は地元の会社なので大手と違い転勤はありませんから、子育てもしやすい環境と言えます。

今回工事においても、2人でできる現場にでも3人体制で担当し、女性が休みを交代したり期間を調整できる体制を整えています。
また、現場に女性専用トイレを設置するなど、ハード・ソフト両面からの支援も行っています。
一般の方々は、現場監督というと力仕事を連想し、腕力を要求されると思いがちですが、技術者の役割は、要求された築造物を適正に作りあげるための指揮をとることなのです。
だから、技術力と管理能力さえあれば、女性であってもハンデはないと思います。
現場での長所としては、男性が言うと口調がきつく当たるような指示も、女性はソフトに言ってくれ、柔らかい和の雰囲気を作ってくれます。
協力業者の体調変化に気付いたり、安全面でも細かな配慮ができます。
調整能力においても、男性より高い面もあります。

短所は、工事全体の方向付けや流れを俯瞰的に見ることが少し苦手な点が挙げられますが、経験を積むことで改善される事柄かと思います。
今後、建設業界において女性技術者が増えれば、現場の環境や仕事の進め方などを変えていく起爆剤や推進力になると思います。
これからも女性の持つ良い面を現場に生かせる環境作りのバックアップ体制を充実させていきたいと考えます。

プロジェクトメンバー

【 加賀建設株式会社 】
土木部 技術部長 大田 純平
土木部 係長 森高 靖子
土木部 係員 寺田 智子

ローザンヌ新築工事

ローザンヌ新築工事

1.プロジェクトの概要・背景

直江町に計画された海側環状線道路により、金沢市民から愛されてきた有名な老舗ケーキ店が移転・新築することになり、立ち上がったプロジェクトです。

設計・監理は株式会社 ナカエ・アーキテクツで、複数の計画を提案するなか、店舗と工場を併合した現プランになりました。店舗、住宅の外壁仕上げに特注タイルを用いており、塗目地材を表面に拭き残し、意図して塗り斑をつくり、材料の質感、特徴が際立つようなタイルの表面仕上げになっています。

場所は直江町東の交差点に位置し、店内が道路よりスクリーン上に浮かび上がるコンセプトで考えられた建物です。夜にはショーケースからスタンドライトにより、バックの庭園が自然の森の中からのスイーツが浮かび上がるように、工夫された建物です。

2.大変だった事、やりがいなど

本工事の店舗部分には外から中の風景が見えるように、中2階の中庭、2階のイート・イン・スペースが一直線に望めるように大きなカーテンウォールを何枚も取り付けています。
この取り付けにあたり、店舗カーテンウォールの施工は、計画工程において屋根葺き後の閉塞空間での施工となったため、安全上の問題も考慮し、北陸では完備されていないカーテンウォール専用施工重機の使用が望まれました。
しかし、他工事との関係上、配備することが不可能であったため、25tレッカー、高所作業車、仮設足場の再組立てを合わせた複合施工を行うといった困難な作業となりました。
作業のなかで大勢の職人の声掛け等により1枚(H=2.6m W=5.3m)のカーテンウォールを計10枚、傷一つなく取付けられた時のホッとした気持ちと喜びがありました。

3.達成感、プロジェクト成功を経て思うこと

難しい設計と住宅、店舗の2棟建てということもあり、夜遅くまで作業したことも多くありましたが、お施主様に引き渡した時の笑顔は達成感を感じることが出来ました。
また、店舗オープン時には大勢のお客様が来店してされているのを見て2度の達成感を味わうことが出来ました。
このような町のシンボルと成り得る工事に携われたことに大きな喜びを感じます。

4.今後活躍が期待される新人に向けて

ローザンヌ新店舗にはアップ・ダウンのある設計の建物であるため施工的には非常に難しく、現場管理等の高度の技術が必要とされます。
出来上がった建物がお施主様及び店舗にお客様が入ってみたいと思えるように感動を与える建物に仕上げることで施工者側としては、この上ない喜びを感じます。
 この感動をぜひ一緒に築きあげ、喜びを分かち合ってみませんか?

プロジェクトメンバー

【加賀建設株式会社】
建築部 次長 寺井 安夫
建築部    久保 大智